テキサス・リグ、サウスカロライナ・リグ、スプリットショットリグ、フロリダリグ
などなど、バス釣りの伝統的なリグ(ワーム釣りの仕掛け)には、独特の響きがあって
なんか良いですね。
野球で例えると大リーグの球種や、プロレスの必殺技みたいな感じもして
なんか魅かれてしまいます。
これが、ダウンショットリグ、アンダーショットリグとなると
世代の問題もあるのかもしれませんが、ネーミングとしてわかり易すぎて
安直に感じてしまうというか、おもしろくないんですね。
例えば、サウスカロライナ・リグは、サウスカロライナ州ではやっていた釣り方だそうですが、
名前だけで想像しても、どんな仕掛けなのか、たどり着けません。
でも、広大なアメリカの一つの州の名前が付く位ですから、そこには歴史があり
きっと実績があるんだろうという想像にたどり着く訳です。
これが、機能を示す名称に変更するとしたら、「フリーモーションシンカー・リグ」とでも
言えば良いのでしょうか?
シンカーが自由に動くと言うことはわかりましたが、
私は「サウスカロライナ・リグ」の方が、歴史とロマンにあふれている気がします。
一見、機能とは何の関係もないような名前を付けることで、私たちの認識は
目の前の針と糸とゴムの組み合わせにストーリーを作り出します。
そもそも知らない人から見れば、釣りの仕掛けはゴミ同然かもしれませんが
知っている人は、その価値がわかるのと同じことです。
それでは、日頃使っている仕掛けに、自由に名前を付けてみましょう。
地名を付けるなら、都道府県でも、市町村でも、川や池の名前でも良いかもしれません。
今はあまり使う人が少ないかもしれませんが、グラスビーズをたくさん付けて
きらびやかな芸能人の名前を付けても良いかもしれません。
自分の名前で「●●●スペシャル」なんてのも良いですね。
私たちは、外界をほとんど言語で認識していますから、
一見関係ないものでも、言語でつなげてしまうことで、脳内で関連性を見出そうとします。
私たちがその言語を選ぶということは、その言語になんらかの価値を見出した訳ですから
物に名前を付けるという行為は、価値と価値をつなげるということです。
要は、名前を結びつけることで、釣りをしている時にも、無意識に日常生活に思いを馳せ、
日常生活をしている時にも釣りに思いを馳せることができるようになるかもしれません。
バス釣りをしている人が、ニュースなどで、テキサス州・サウスカロライナ州と聞くと
ついワームとリグが頭に浮かんでしまうというのと同じです。